がん放射線治療の
概要
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- がん放射線治療の概要
- 放射線治療の副作用(有害事象)と対策
- 照射した部位で出現する症状とその対策
- ④胸部(肺、食道、乳房)
放射線治療の副作用(有害事象)と対策
放射線治療の副作用(有害事象)対策について
照射した部位で出現する症状とその対策
④胸部(肺、食道、乳房)
照射方法:体外照射
肺や食道の粘膜などにダメージを受けます。炎症を起こしますので、主に発熱、呼吸をしたり食事を摂ったりすることに影響を及ぼす症状が出現します。なお、心臓へ放射線が当たれば、心臓の周りに水が溜まったり、不整脈が出現したりしますが、照射方法の進歩もあり、発症はまれです。
食道炎
食道の粘膜がダメージを受けて、炎症が起こり、痛みや胸やけ、物がつかえるような感じの症状が出現し、食事を食べたり飲み込んだりするのが困難になります。症状は、治療開始後2週位より出現し、治療終了後徐々に回復します。
- 禁酒・禁煙を続けましょう。
- 香辛料や酸味が強いもの、炭酸飲料など刺激になるものは避けましょう。また、熱すぎたり冷たすぎたりするのも刺激になりますので、気をつけてください。
- 食材は小さく切ったり、軟らかく煮たり、少しでも飲み込みやすいように工夫しましょう(よく噛みましょう)。また1回の食事量を減らし、回数を増やしてもよいでしょう。
- のり、ワカメ、トマトの皮、ウエハース、薄く切ったキュウリなど粘膜に張り付きやすいものは避けた方が良いでしょう。
- 粘膜保護剤や鎮痛剤を使うことができます。担当医(放射線腫瘍医)に相談してください。
肺炎(放射線肺臓炎)
肺に放射線が当たった範囲で起こる肺炎です。主な症状は空咳、発熱、息苦しいなどですが、無症状で経過することもあります。軽症であれば自然治癒することもありますが、症状によっては必要な治療(抗炎症薬の投与など)を行います。また、まれですが、重症化すると命に係わることもあります。なお、肺炎が起きた部位は、治療終了後数か月から数年かけて肺線維症(組織が硬く変化する病態)に移行しますが、多くの場合は自覚症状がなく、問題となることはありません。症状が強く出現した場合には治療が必要になります。
- 禁煙を続けましょう。
- 空咳、発熱、息苦しいなどの症状が出現したら、早く受診しましょう。
- 労作によって息切れがある場合は、適度に休憩をしましょう。